医療との向き合い方
ふだん診療で多くの方と接している中で、
わたしたち医療を受ける側が、医療との関わりに関して最も重要だと思うことがあります。
それは、
自分(受ける側)が、主体的であること。
昨今、現代医療のあり方自体にも様々な議論が飛び交っていますが、
一旦それがどのようであれ、
中心部分はこれに尽きると私は思うのです。
多くの人が、病院に行くと、医師の言うことや病院の方針に従わなくてはいけないような気持ちになったり、疑問や異議を持つことに罪悪感を感じる方が少なからずいる気がします。
そういった方からのお気持ちを聞く機会も多々あるので、そんな時にいつもお伝えするのは、
あなたの身体について、あらゆる選択をする力は
常にあなたの手の内にあるのです
ということです。
目の前に提示された治療を受けるのか受けないのか
この薬を飲むのか飲まないのか
場合によっては、そのドクターのもとに通い続けるか否か
中には、自分の意思や答えに自信をもてず、安心材料として、医療に責任を預けているような、向き合うことから目を逸らしているかのように感じられる場合もあります。
”選択する力”を自分に許可することができるようになってくると、
自ずと、人任せではない、
「今の状態に対して、私は何ができるだろうか」
という問いが、生まれてくるかもしれません。
どのような選択をするにしても、意識的に自分が選んだという認識があることは、
とても意味のあることだと思います。
ある人は、自分の身体を他人事のように扱っていたと気づいたとしたら、
体を動かしたり、食事に気をつけたり、
無理している部分を手放してみたり・・・
他にも、いろいろな有効な方法や情報と繋がることができるかもしれません。
一歩を踏み出すには
はじめは勇気がいります
一つ、一つ
自分の身体や心の声に耳を傾けて、労わること
自分への尊厳
また、
自分の身体や心を大切にすること
これらは、より満ちた気持ちで健康を保つための重要なキーワードであるかもしれません。
わたしたちのより多くの人が、
主体的に医療に関わっていくことを、
いえ、
主体的に自分自身の身体に、心に、人生に
その舵を握っていけることを願っています。